low days

Kyoto Japan No Fun / PIANOGIRL vo. diary

無題

どうやら雨はやんだらしい。表通りは今夜、花瓶のように静かだ。日付が変わり22日深夜2時、書き始める。

仕事のあとスタジオのロビーに来た。ギターの弦を交換しチューニングを正したら、適当に鳴らしてみる。ピックは無かった。明日ライブで演奏予定の曲を順番に弾いてみた。どの曲も適当な所で弾くのはやめる。歌い出しに何を感じるかが大切だった。俺自身の唄。お前に等身大なはずがない。俺は確かめてみたかった。心の向かうままに音楽が鳴るかを。それが表現だと、最近は思うから。

帰宅すると飯を食って缶ビールを一本だけ飲んだ。それからライブでいつも履くジーパンを出してきて裁縫を始める。一度ライブをしたら一本の縫い目だけで繋がるボロ布になってしまうそいつを、その度に縫って直すんだ。これも俺にとっては何かを確かめる作業だと言える。何かって何だ?知るかよ。でも、蓋を開けて中身を確認するような、そんな安心をこのボロ布は俺にくれる。カビとインクと糸くずだらけのコイツを履いて明日も俺は唄う。

隣の部屋に客人が来ているようだ。俺はもう眠ろうと思う。一応喉を冷やぬようタオルを巻いて寝る。猫たちはおそらく客人にいい子ぶりっ子して見せる頃だろう。