low days

Kyoto Japan No Fun / PIANOGIRL vo. diary

京都GROWLYでツアーファイナルを終えた。

12月15日 冷たい雨が降る刃のような夜。風呂でしっかり温まり今布団の中でこれを書き始めた。二日前に俺は風邪をひいてしまった。午前中から身体に怠さを覚え夕方には発熱。漢方と白湯を飲み続けなんとか熱は治ったが翌日には喉が痛む始末。長年喉と付き合って来た経験から俺の身体に合った治療法をやってみる。薬の類は効かない。とにかく喉を温め、水分を絶やさないようにする。すると一日で痛みも引いてきた。そして今日はというと、鼻づまりと咳。風邪の症状全てが順に襲ってきたって訳。鼻は強い方だったので対処法を知らない。まぁ鼻水垂れ流して唄うがいーよ、俺。

さて来たる16日は青天井ツアーファイナル、ワンマンだ。余す所無く詰め込んだ2時間を俺たちは駆け抜けようとしている。一瞬だ。evansを聴いてる。俺が落ち着こうとしている証拠。この続きはワンマンが終わってから書こうと思う。

17日 昼。一度起き出し飯を食いに出た。酒と疲れが残る愚鈍な午前中。普段通らない道に入る。左京区、北白川の辺りは一風変わった建物が多い。時代建築、門前には花。山に囲まれた町全体が奇抜なセンスを纏っている。静かだった。昨夜で騒がしい音楽が一度鳴り止んだ。2時間、22曲を演奏し、青天井ツアーの終わりを迎えられた。動員は107人。ステージから見るとその全てに血の通った表情があったように思う。2018年のライブもこれで終了(俺はSOOZOOと弾き語りであと4本を残すが)、ゼロから再出発したバンドの一歩、二歩、確かな前進をした一年だった。思えばバンドを始めてからずっと感じていた現実からの浮遊感、それに身も心も委ねることで突き進んできたがここ数年はそうではなかった。俺自身の現実をしっかり踏みしめ、血の通った音を、ただそれだけを目指した。俺は俺自身と戦い続けなくちゃならない。臆病な自分がいる。嫉妬深い自分がいる。私利私欲にまみれた醜い怪物のような自分がいる。戦え、と俺の中の正義と勇気が言う。その声がするうちは。

青天井ツアーのポスターを見返していた。全国各所、お世話になった人たちをこれからも友達と呼べるように恥の無い前進を約束する。

打ち上げでは差し入れで貰った沢山の酒が次々と空けられた。美酒だったが俺は風邪がぶり返してきてビール2本でもうぶっ倒れそうだった。涼もうと一人外に出る。どしゃ降りの雨が駐車場を打つのを見ていた。看板の明かりや、よく見慣れたこの町を。何処へ行くにも俺たちはこの駐車場から出発した。そして旅の終わりにこうして此処へ帰り着いたんだ。皆無事に、炎を絶やさずに。煙草に火を付ける。雨粒に煙が溶けていく。とても寒かった。中へ戻ろう。半分を吸い切らぬほどの煙草を水たまりに投げる。ジュっと短い音がして、俺の気分も清々しいものだった。

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