low days

Kyoto Japan No Fun / PIANOGIRL vo. diary

無題

記録的な台風が過ぎ去り、夕暮れと共にグッと冷え込む季節になった。ブルーハーツみたいな一文から始まったね。身支度をする時、半袖を一度着ては夜の寒さを思い出して長袖に変える。そんな夏の癖がまだ残る頃、10月14日に書く。

本当に今理由なくふと思い出すのは実家のベッドだった。頭の棚にCDコンポを置き、低音を増幅させたEQにして、洋楽はパンク、ハードロック、メタル。邦楽は青春パンク、ヒップホップ。休みの日は一日中聴いてたと思う。楽器を覚えたらバンドメンバーが出来て、彼に自分が初めて作った曲を聴かせた。死にたいくらい恥ずかしかったのに聴かせずにはいられなかった。ぼれええが!(広島の方言で「とても良い」の意)でもサビはもっと高いキーにして盛り上がる感じの方が良いんじゃにゃあん?(広島の汚い喋り方はこんな風に語尾をまくりあげる)と彼が言う。今思えば彼がそんな真っ当過ぎる感想を言ったことが面白いんだけど。無理やりベースを弾かせてたそいつが言った感想が俺の音楽人生において初めて貰った''リアクション''だった。今でも鮮明にその時のことを覚えてる。それから2年間スリーピースのバンドをやり30曲近く作った。ギタリストが入って4人でも何度かライブをしたが、卒業と同時に皆は就職して大学に進学するのは俺だけだった。バンドは円満の解散。やり切った感覚があった。それと同時にこれから始まる無限の音楽人生への幕開けを感じていた。

音楽は無限で命は有限。仏教も戦争も勉強したが、どう考えても命は一回きりだ。俺の中から産まれくるあらゆる感情をその都度大切にしなければならない。音楽はそんなワガママを聞いてくれる。優しさを喚けるしお前の悲しみを聞くことも出来る。出会いをもたらし別れをくれる。結局は酒を飲んで適当を吐いて昼まで寝るだけなんだが、適当じゃないし心が眠ったことも無い。自然に身体が動くということはもはや赤ん坊じゃない俺たちにしては稀有なことだと思う。リフ響きキックインし這うベースで悩ましきは消え歌声が産まれる。''泣く''という言葉は''唄う''と同義だ。最近手を付けている曲はこんなことをテーマにしている。