low days

Kyoto Japan PIANOGIRL vo. diary

無題

どうやら雨はやんだらしい。表通りは今夜、花瓶のように静かだ。日付が変わり22日深夜2時、書き始める。

仕事のあとスタジオのロビーに来た。ギターの弦を交換しチューニングを正したら、適当に鳴らしてみる。ピックは無かった。明日ライブで演奏予定の曲を順番に弾いてみた。どの曲も適当な所で弾くのはやめる。歌い出しに何を感じるかが大切だった。俺自身の唄。お前に等身大なはずがない。俺は確かめてみたかった。心の向かうままに音楽が鳴るかを。それが表現だと、最近は思うから。

帰宅すると飯を食って缶ビールを一本だけ飲んだ。それからライブでいつも履くジーパンを出してきて裁縫を始める。一度ライブをしたら一本の縫い目だけで繋がるボロ布になってしまうそいつを、その度に縫って直すんだ。これも俺にとっては何かを確かめる作業だと言える。何かって何だ?知るかよ。でも、蓋を開けて中身を確認するような、そんな安心をこのボロ布は俺にくれる。カビとインクと糸くずだらけのコイツを履いて明日も俺は唄う。

隣の部屋に客人が来ているようだ。俺はもう眠ろうと思う。一応喉を冷やぬようタオルを巻いて寝る。猫たちはおそらく客人にいい子ぶりっ子して見せる頃だろう。

無題

さっき日付が変わって今は9月19日。読んでいた本を閉じ、布団に横になって書いてる。さっきまでOliveは隣で寝てたが、何処へ行ったんだろう。そう書く間に階段の方から物音がする。二匹分の足音だ。最近二匹は仲良くやってるみたいだが、理由は寒くなってきたからかな。暑いとどうしても苛つく。特にこの家は暑い。いま二匹は追いかけっこを始めた。夜中のドタバタは愉快で良い。もっと派手にやれよ。ちょうどさっき眠り始めたtedを起こさないようにだけ気を付けるんだよ。本は三島の短編を読んでいた。昔からこの手の短編を好きでよく読んだ。この前東京の友人が俺にシャツをプレゼントしてくれた時、俺は三島の本を一冊(たしかこれも「真夏の死」という自選短編集だったと思う)お礼にあげた。短編の良いところは、冒頭と結末をものの数分で味わえるところだ。冒頭には大抵こちらの想像力が求められる。それがまだ不完全な状態で物語が結末を迎える。その時の妙な後味は癖になる。(また二匹が部屋にやってきた。ものすごいスピードで追いかけあったと思えば、両者静止して数秒、緊張感のある静寂)さて、このまま眠るかもう少し夜を過ごすか、考えてる。どっちでもいいんだ。何をしようと、何処へいこうと。

9月20日 午前10時。雨雫の音が聞こえてきそうな表通りはぼうっと白ずんでる。隣の豆腐屋が出荷作業を終えて後片付けをする物音。雨の合間に飛び、鳴く鳥。昨夜はnanoでライブだった。打ち上げが終わりファイターの車に乗り込む。この辺りはあまり記憶が無い。たしか玉屋ビルまで行ってseiryuを拾って天龍を目指したっけ。美味かったという記憶はある。それから俺の家に寄ってチーコを交え1時間ほど皆でゆっくりした。俺はソファ椅子に横になり天井を見つめながら煙草を吸っていた。会話を聞くのが好きだ。思わず笑ってしまうことや、「ほう。俺はどうだろうな。」と自身に移し替えて考えてもみる。考えた結果何も話さないことが俺には多いが、大抵考えるだけ考えてすぐ忘れてしまうね。

まだ身体に疲れを感じるが、起き出すことにする。今日の仕事は16時から。それまで豪とファイターと作業をする。刷り部屋の整理と特典音源の焼き増し。レコ発は明後日に迫った。今までの俺なら、必ず成功してみせる、と意固地になるほどだったが、もう余計な力は抜く。どうせライブになれば余計な力が入る。今はリラックスの時。プレッシャーは当然ある。今は穏やかにいたい。そうして結果、良い一日になることを俺は目指している。あんたの為じゃない。結果そうなれば喜ばしいが。何の為にやってるかなんて、とっくに忘れた。

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immanence

 

とある知り合いの絵描きは自らの作品にこう名付けた。

「immanence」

-あるものが、そのものの中におのずから存在していること-

巨大なキャンバスが一面かすれた黒で覆われた絵。その絵を俺は妙に思い出すことがある。決して塗り潰されていない、霞んだ黒。周囲と断絶していないという印象を持てる。

9月16日 仕事から帰ったのは23時半。お好み焼きを食う。それから新しいTシャツのデザインを考えてみる。一枚の白い紙を前にして(俺はパソコンを持たない)少しの間考える。よし、コラージュをやってみようと思い立った。家中の雑誌を集めてみるが、そんなに量が無い。なんでだ?二階の本部屋に行ってもみるんだが。シャワーを浴びたのに汗ばんでくる。(この日は蒸し暑かった)思い出した。ひと月ほど前に大掃除をして全部捨ててしまったんだった!

9月17日 昼前。昨夜の残ったお好み焼きを食う。22時まで仕事で、それからバンドのスタジオだった。練習前、豪とファイターはシルクスクリーンの木枠作りをやってた。俺が採寸したサイズに少し間違いがあったのでノコギリで切断して修正。俺はその間一人で飯を食いに行く。ビルに戻る途中薬局の前でNJと合流した。癖のある天然パーマに矯正をかけたらしく、サラサラの髪の毛になっていた。スタジオに戻る。さぁ一服したら練習しようか。

スタジオの後は最近取り組んでいる特典音源のミックス作業を。9/22の青天井発売イベントに向けて気持ちを作っている。セルフで録音する時、エンジニアはGt.のNJがやる。俺の細かい注文にもとことん付き合ってくれる。最低限のセンスってもんがある。特に俺たちのようにモノづくりを好きでやる者達には必要な感性。相手が音ならこっちは耳だ。それがエンジニアと共通することが大切。何でもそうだね、人と何かを作り出す時、共通の感覚(最低限のセンス)を持ち寄り、試みを恐れずに迅速な判断で進んでいく。不満ばかり言う奴はこの船に要らない。想像で堕ちる奴も辞めといた方がいい。作るは壊すと同質。俺の中にある旧態を破壊だ!そうじゃなきゃ、なんにも面白くないだろ。その爆発が俺の中に起こらない時、曲作りなんてやってたまるか。退屈はそのまま退屈として俺は持つよ。時間はたっぷりある。でも明日死ぬかもな。そうなれば最期の言葉はこの日記が、''らしくて''良い。

やってみようや。

いいね、やってみよう。

この会話が大切。分かるか?分かる奴は創造的な奴で、俺が好きなタイプの人間。

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外はとても寒かった。5時半に帰宅して、ふとギターを弾いてみる。自分の中にある言葉を独り言のように歌ってみる。カーテンの隙間、外はもう明るかった。どうしてか俺は決まりが悪くなって、眠ることにした。写真は帰り道に撮ったやつ。闇夜と前進を感じる。断絶と内在も、俺は感じ取れる。

 

 

無題

9月12日 9時に起床。猫2匹があちらとこちらで眠っている。寒くないか?俺たちは季節の変わり目に居るね。一階へ降り洗濯を済ませて畳に横になる。昨日買った本を開いてみる。放浪する男が孤独な旅の芸術家として死ぬ話。なんとなく冒頭の季節は9月の今日みたいな日なんじゃないかと思う。日々は過ぎ、気付く時にはもう厳しい寒さの冬だろう。来月からバンドはツアーに出る。心を熱くしよう。どんな成功より報酬より、胸にこみ上げる炎だけが俺たちを導いてくれる。その純粋な炎が照らす横顔に涙が伝ってる。横顔を思い出せない。誰だっけ、お前は。その震える肩を見て俺は思い出そうとする。権力者や心無き者に踏みつけられた人々。人は弱いとされると反抗の気力を失う。立ち上がる者はお前独りだぞ、と全員が言われてる。本来弱くは無いのに。独りじゃないのに。なんだろうねこの文章は。俺も書いていて訳が分からなくなる。んん、俺にはまだ溢れ返るほど反抗の気力があるってこと。反抗心。仮に間違えても、踏み誤っても、悔やむ事が無いほどの明確な怒りが俺にはある。

14日 13時になろうとする頃。缶コーヒーを飲みながら書き進める。雨ばっかりで嫌になるね。今夜はNJと録音の続きをやる。互いの仕事が終わって23時から始めて、何時までやるかは気力次第。良いものが録れれば無尽蔵に続けられる。閉じ込めたい音が沢山ある。音楽だけじゃない、街の音、会話、動物の鳴き声。ボイスレコーダーで録り貯めているそれらを音楽と溶け込ませたら。

15日 15時を過ぎ、まだ街には水たまりと忘れ傘と土曜日を急く人々。俺が帰宅したのは朝6時頃だったと思う。GROWLYビル3Fで録音は続いた。外が明るくなるにつれ俺たちの頭もおかしくなってきて、最終的にはいつもの悪ふざけが始まる。ひたすらファイターの屁の音を録音した。ある意味彼はプレッシャーとの闘いだっただろうし、俺も一体何をディレクションしてんのか分からなくなったが、散々笑って朝が来たって訳。12時30分に起床。tedの誘いで近所のカレー屋へ昼飯を食いに行く。地下道にある店なのに冷房を切っているので無風で暑い。現地で食ってるようだった。俺は途中から激辛に変更してもらう。暑さと辛さで汗が止まらない。その分、食い終わって地上に出ると爽やかな気分だった。そのまま俺は出勤。

これから始まるツアー、その旅先で俺は日記をよく書くと思う。空いた時間を見つけてはここに書き残していく。ライブが終わり打ち上げが終わり帰りの車内で。誰かの家で眠る時に。一人になれる時間。そっと俺の心と会話が出来る。一人にしてくれ。一人にしないでくれ。旅はそういうものだと、俺は思う。

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写真はSOOZOOで撮影をした13日のもの。宝ヶ池公園。この後俺たちはボートで漕ぎ出した。

 

9月になり初めて書く。雨の金曜日。

9月7日 昨夜から降り始めた雨はしつこく今もまだ街に居て、まんまと俺はびしょびしょだ。帰宅したのは朝5時過ぎだった。NJと録音をしていてこの時間になる。誰もいなくなった通りを走ると気分が良い。唄い出す奴もいるかもね。そんな風に唄われる唄には命がある。内から突き破ってくる命。それこそが聴くに値する。9月7日。思い出すのはinthenaMEofloveの9/7という曲。theorem明和さんの追悼イベントで故人が好きだったという理由でその曲を演奏していた。こんな昔話を俺は何の為でも無く書き続けている。忘れない。忘れるさ。

10時過ぎに起床。同時に子猫も起きてきて俺の足や手を力一杯噛む。目覚めて最初のパワーをこれでもかと俺に見せつけてくるようだ。俺は顔を洗って区役所を目指した。tedの住民票の写しを代理で貰いに行く。役所関係は平日午前中が暇な俺の役目だった。そのままの足で出勤。途中また雨が降ってきてズボンがすっかり濡れてしまった。一昨日にボンドで貼り付けたパッチが少し剥がれてくる。Tシャツを刷る部屋にドライヤーがあるかと探したが見当たらず、ズボンは2時間ほど冷たく黒ずんだ。

-----深い山の道の駅に車を停めた。案内所には付近の地図と情報誌が並ぶ。男が一人、地図とにらめっこをするように立つ。気温は思っていたほど低くはなく、長袖を一枚羽織るほどで十分だった-----

23時に帰宅。豪雨だった。一日中降る時、空は枯れてしまうのではないかと思う。至って平穏な一日。糞も味噌も無い一日。俺にはそう見える時間を、いかにも人生最高みたいな顔で楽しむ連中を袖から見ている俺。彼らに対して興味なんかある訳ないのにどうしてこんなに悶々とするのか。人間を唄う限りこれは失くならない感覚だろうな。上手く付き合っていかなければ。上手く?そうじゃない。上手くやりたくない。本当に会話が出来る奴らとは何も上手くやろうとした努力など無いもの。

-----車の後部座席はフラットにして布団を敷いてある。俺たちは暗闇の駐車場で飯を食い始めた。柵の向こうでは有料キャンプスペースで楽しむ家族連れの声。何の不安も無いような声。彼らの焚火の明かりが巨人のように揺れる。山は深く、その霊的な力を全身に感じる。煙を吐いた。昼間に買ったハイライトを-----

翌朝は10時に起床。雨は上がり郵便のバイクがせわしなく走る。今日はSOOZOOでライブだった。火暗しのイベント。ウスノロな昼間に居た。ライブの日はいつもこうだ。身体が怠く、酷く眠い。リハを終えてビールを飲み始める。オープンと同時に知った顔が集まり始める。夜はいつもこうやって始まった。

-----車で眠る為に駐車場内を移動した。街灯の無い場所へ、少しでも暗い隅の方へ。ミニボンベで緑茶を沸かし、梅酒を割る。そいつを車内で飲んでから眠ることにした。身体を冷やさないように。星空だった-----

帰る頃にはもう何を喋りたいのかほとんど分からない口調だった。西院からタクシーに乗り岡崎へ。家に帰り着き玄関を開けたそのすぐ先に倒れるように横になる。そのまま俺は眠ってしまった。明け方5時頃に目が覚める。固く冷たい床のせいで身体中が痛い。のそのそと上体を起こして台所へ行き水道水を飲んだ。今日のことを考える。仕事は...確か休みだった。安堵する。ライブ以外で一日何も無い休みは本当に久しぶりだった。台所で俯いていても今日は終わらない。今日?果たして今は今日なのか昨日なのか。あうう。こんなどうでもいいことは放っておいて、早く二階へ上がって眠ろう。

-----山霧が浅くかかる朝。肌寒いがまだ夏山。標高があってもまだ耐えられる気温。トイレに着替えに行ったtedを待つ間インスタントの味噌汁を作る。駐車場で食う朝飯だ。しっかり食って今日の挑戦を想った。出発地点まではこれからシャトルバスに乗り20分ほど。そして往復およそ5〜6時間の登頂が始まる。最後にフレームザックに食料と水を詰め込んで、焼岳へ向けて出発した-----

9月10日 酷い二日酔いは夕方過ぎまで続いた。昼飯は一乗寺まで出て、帰り道の本屋で本を2冊買った。それからNJが家に来たのが16時30分だったと記憶している。茶を飲みながら話す。俺はしんどかったのでリビングに敷いた布団にだらしなく横になりながら。19時過ぎにはseiryuもやって来た。それから皆んなで飯を食うことになり、スーパーへ買い出しに出た。船岡山のデカいスーパー。俺はやっと元気になってきたのでまずはビールから始めることにした。ちーこは仕事を休んで、歳も同じ5人は鍋を囲み楽しくやった。夜中3時過ぎに解散。片付けは翌日でいいや。俺は思った。良い休日だった。

 

無題

今夜京都では五山の送り火が灯される。去年は近所の坂まで椅子を持って行って酒など飲んでみたな。京都で暮らしていると、この炎を境に夏が終わって行くような感覚がある。

8月16日 昨夜は3時に布団に入るが全くもって眠れず、脇に子猫を挟んだりして遊んでいるともう空が明るくなった。酷く疲れているのに眠れない時、焦り苛立つ気持ちだけが膨らみ、余計に眠れなくなる。この日も朝から別の仕事があったので俺はぐっすり眠りたかったのに。夜は練習だったと思う。最近朝から晩まで活動することが多い。身体は疲弊して精神は平常。充実した感覚も特には無く、至って普通な暮らし。これで良い。普通に暮らしていても炎の中に放り込まれる時が俺には必ず来る。その時まで。

 

無題

23時半を過ぎた頃帰宅。家の前に白い大型犬が一匹彷徨うように歩いていた。どう見ても飼い犬だったが飼い主は見当たらず、自身のみで行き先を決め歩いて行くようだった。家に入りtedに言う。表に犬がいるぞ。彼女はすぐさま窓を開けて外を見るが、見当たらないと言う。夜に消えていった白い大きな犬。何かの兆候だろうか。

8月5日 生ぬるい夜風の中煙草を吸ってる。一度落ち着いていた気温だが、今夜はまた熱くなりそうだ。明日のことを想って少し詩を書いた。

8月6日 朝、寝ぼけながらだったが黙祷をした。目をつむると蝉の鳴き声がする。そうする前から鳴いていたんだろうが。近所の寺は一斉に鐘を鳴らしたらしい。幼い頃からこの日のこの時間には目をつむって蝉の鳴き声を聞いていた。蝉と、太陽がアスファルトを焼く音とその匂い。8月には死の雰囲気がある。線香臭い町で、畳の上で横になっていた。死は陽炎だと思い込もうとした。槍のように伸びて行くこの一本道が揺れている。土で汚れた手で目をこすって見る。細めた視界に、まだ揺れていた。鼻血を飲むと少し痛みを知った気になった。餓鬼だった俺が心に留めた8月。今の暮らしに俺はまだやるべきことが多くある。作らなくてはならないし、稼がなければならん。心があの一本道を進んでいる。

8月8日 涼しい夜にいる。昨夜はNEVERLANDでライブだった。SOOZOO。本番前酔っ払っていたので、全身の力を抜いていくことに集中する。良いライブだった。seiryuの感情と連結しながら弾くようにする。それが良い演奏に直結する。そのことは誰よりも俺が知ってる。さて今夜はというと、風は無いが涼しい夜。よく眠れそうだ。子猫のOliveはもう飛び跳ねるようになってGingerと揉みくちゃになって遊んでいる。夏はこうして終わっていくね。飯をしっかり食い煙草を吸い酒を飲み、よく眠っておかないと。