low days

Kyoto Japan PIANOGIRL vo. diary

連休は二日間の休みとライブが一本。

5月1日 琵琶湖の湖岸に来た。火を起こし肉や貝を焼いて食った。tedと二人だったので食いきれず少し余ってしまう。いつもこうだ。スーパーで買い出す時には自信満々に食える気でいるんだが。俺たちの煙が向かう先に釣り人が数人居た。誰もが10分ほど糸を垂れては何の反応も得られず場所を変えていく。ひとりのおじさんが話しかけてくる。

良い匂いだねえ。朝に来てたら1メートルの鯉を見れたのに。へえ!釣ったんですか? そうさ、神奈川から鯉を釣る為にやって来てもう2週間そこの駐車場に寝泊まりしながらやってるんだべ。だべ、という関東訛りが耳に残る。竿は投げ放しで、夜寝ててもセンサーが付いてるから大丈夫。おじさんはニコニコ笑いながらそう言う。

夕暮れていく頃には寒さが出てきた。俺たちも今日は車で眠ることにしていた。食事の片付けをして駐車場へ戻るとさっきのおじさんも飯を食ってた。暗闇の中、何か肉の塊のようなものをナイフで切って食ってた。俺は軽く会釈して車に入る。俺もtedも身体が小さいので軽自動車でも充分車中泊が出来た。

一眠りして22時頃に目覚める。少し小腹が空いたのでミニボンベでスープを沸かしパンを浸して食った。スーパーで半額だったブドウをつまみながら少しの時間tedと話した。何を話したか覚えて無いが湖のほとりで静かな心落ち着く時間だった。この日は疲れていて、それから再び眠った。

朝方4時頃公衆トイレへ行った。真っ暗で寒かった。ふと湖岸を見るとおじさんの竿(3本ある内の1本)のセンサーライトが赤色に点灯していた。センサーは携帯にも反応するから大丈夫と言ってたがおじさんが起き出す気配は無かった。こんな時間だというのに遥か向こう岸の街はチカチカと明るくとても綺麗だった。俺は車に戻ってもう一度眠り始めた。

翌朝はtedの実家でシャワーを借り2〜3時間ゆっくりさせて貰い昼前には出発した。帰りは電車だ。そしてもう真夏のように暑かった。すぐ電車に乗る予定だったが涼しげなビールの看板を見つけ駅前の小さな食堂に入る。ビールとチューハイ、どちらも糞ほど冷えていて美味かった。それからホームで電車を待つ間も木陰や線路に夏の訪れを見つけていた。

この日も俺は休み。夕方からライブを見に出かけた。今出川まで歩いていく。途中缶ビールを買って飲みながら歩く。NJが事故で記憶喪失になった時に運ばれた病院を通り過ぎ、何軒か嘘臭い飲み屋を覗きながらソクラテスに着いた。openまでまだ30分もあったのでスーパーでハイネケンを買い賀茂川まで行ってベンチに座った。顔の周りを羽虫が飛び交うが少し酔った俺にはどうでも良かった。少しして豪と落ち合う。彼も初夏らしく革ジャンの袖を切り落としていた。

イベントの転換中は濃い目の水割りを、ライブ中はビールをそれぞれやりながら俺は楽しんだ。DEEPCOUNTもwarheadも、それぞれがそれぞれの想う故人へ曲を捧げていたのが印象的だった。五月は死の季節かな。俺にも思い当たる人がいた。それはもう少ししたら書く。

夜は毎日あっという間に過ぎる。帰り道ふらふらになりながら川沿いを歩いた。生臭い川の匂い。すれ違う人はいただろうか?タバコを反対に火を付けてしまい一本を無駄にした。それは覚えてる。あとはどうでも良い。なぜか妙に忘れられないこと。誰しもそんなことがあると思う。俺はそれだけを大事にしまっておきたいと思う。衝撃や感動は忘れてしまいたい。理由の無い経験こそ面白い。文章がこのような方向に傾くと俺はどうも苛立ってくる。糞にもならん嘘物の情熱へ。それを疑わずして受け入れる思慮浅き者達へ。空疎なる者達へ。俺は何故いちいち腹を立てる?自分のことで精一杯のはずなのに。俺は本当はこんなに苛立っていたくない。

ライブは4日。theorem gt.明和さんの三回忌だった。今年から俺はこの日を主催側として過ごすことになる。PAもやった。案の定糞疲れた。動員は反省の一言。内容は満足の二文字。関わってくれた人は持ち帰ったであろう気持ちがあると思う。うまく言葉に出来ないことこそが大切にすべきことだ。俺はね、本当にそう。最近はライブで喋ることが面白いほど自分にも強烈だったりする。何の制御も無く喉から弾け飛ぶ言葉が一番良い。(良い、とはあくまで俺個人に対して) 何かと闘っている。それが何かはどんどん分からない。音楽は好きにやれば良いだけの単純なもの。心は、分からない。

令和を待たずして他界されたミチロウさんにも俺は深い哀悼の念を抱いている。深い深い鮮明な光景を俺はいつでも思い出せる。俺はまだ死なないと思うが、死ぬかもしれない。分からないことが面白いという理由の根底はそういうことかもしれない。

写真は対岸の街と漆黒の湖。

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