low days

Kyoto Japan No Fun / PIANOGIRL vo. diary

1時をまわった頃。俺は眠ろうとするが子猫が爪で引っ掻いてくる。

その無邪気さに負けて俺ももう少し付き合ってやることにする。Oliveは小さい。今日病院でオス猫だと判ったようだ。Gingerは少し離れた所から彼を見ている。二匹の間に友情が芽生える時を俺は楽しみに過ごそうと思う。

年内のバンドのスケジュールがある程度決まってきた。その昔、全てを犠牲にして餓鬼道のようにツアーをしていた頃から見れば大分落ち着いたスケジュールが組めている。当時は月の稼ぎが2万なんてこともざらにあった。京都に居なかったからね。今になって分かるのは、あれはただの夢想で、人生では無かった。誇らしい夢ではなく、儚い夢想の中に独りで生きていた。だが、言うまでもなく本気だった。だからこそ今こうして考察が出来る。俺は昔から精神の鍛錬を重ねていた。とにかく目の前のモノ全てに疑問の目を持ち、無知の知も自覚し、あらゆる人間と会話を持とうともした。俺のことを良い様に言ってくれた事を素直に喜んだことは一度も無い。そうしないように注意していたんだと思う。臆病な俺。鬼女のように嫉妬深い俺。何処まで行っても、何を成し遂げても、自分のヤバさは自分にしか分からないんだ。だからしつこく続けるのさ。

ここからは翌日になって書いている。23時少し前。この日、違反者講習があった。これに参加しないと免許停止になるので必ず朝9時までに伏見の自動車学校へ行かなければならなかった。が、俺は寝坊してしまい起きたら8時過ぎ。すっ飛ばしても間に合うかどうか。叫びながら飛び起きて寝巻きのままバイクで出発した。違反者講習に向かうのに制限速度を大幅にオーバーし、信号無視を繰り返して、1号線を下っていく。この矛盾は何だろうね。奇跡的に2〜3分前に着いて入室させてくれた。胸をなでおろす。良かった。まず西大路駅周辺のゴミ拾いに連行された。炎天下の中ボランティアの爺さん達と周辺を回って吸殻やゴミを拾う。爺さんは俺にしきりにタバコ休憩を促してくる。ありがとう、でも大丈夫です。俺は答える。あんたが吸いたいだけだろう。早く終わらせて帰ろうぜ、そうしなきゃあんたもぶっ倒れるぞ。この殺人的な気温はどうだ。ホウキとチリトリを持って横断歩道を渡る自分が笑えた。14番さん、と番号で呼ばれるのも悪くないね。俺はフィルター1つ見過ごさずに拾ってやろうという気になっていた。太陽は真上に居た。

17時に帰宅。風呂に入って髭と眉を剃る。バンドは今夜東京へ向かう。出発は22時の予定。それまでの時間を使ってtedと買い出しへ出た。西院の業務スーパー。野菜が安いので食料はいつもここでまとめて買うようにしている。その帰り道、暮れようとする空を写真に撮った。妙な色で、世界中が騙されているようだった。f:id:pianogirl292:20180726051834j:imagef:id:pianogirl292:20180726051834j:image