low days

Kyoto Japan No Fun / PIANOGIRL vo. diary

一月

1月10日。No Fun年初めのスタジオが終わり帰宅した。寝室の隅っこで大欠伸をしながら書いてる。

新曲がほぼ完成した。帰り道30分ほど歩きながら繰り返し聴いていた。演奏しながらも感じてたが、なんつーかね、皆の出す音が大きなバブルリングだった。シャチ、縦横無尽に泳ぐ。個人的には気に入った歌詞もあって、色々と考えてしまうことは中々メロディに乗らない。ワントゥスリーってなんだろう。欠伸をまたひとつ。曲が出来るってことは何日かすればどうだっていいんだが、その時だけは何か特別な尊さがある。ましてや共に演奏された音が自分の範囲内を少しずつ脱していくともすれば。

1月11日 午前中に台所に立ってる。ここ数日植木に水をやるのを忘れてた。洗濯物も干しっぱなしでゴミも出すのを忘れた。だがそんなこと全て無視して俺は明日のライブのことだけを考えてしまってる。音楽の素晴らしさなんて相対的なもんだが、夢中になるという点においては絶対的な尊さがあると思う。ましてやそれを一時的に他人と共有するとは。

1月14日 大阪の天王寺の町を散歩していた。ライブの日、リハが終わって一人で。この町に来るといつもそうする。好きな喫茶店は定休日だった。裏路地にある小さな神社に入って十円玉を放り投げる。先客の男が一人。作法は彼に倣ってみた。それから当てずっぽうに歩いていると昔フラフラした公園に出て、その時振り返ると駅ビルに沈む夕陽がひとつ。そいつを眺めながら家から持って来たオニギリを2つ食ってライブに備えた。

1月20日 この日のライブは岡山。この街のベーシストに脈々と受け継がれているのだろうダウンピッキング。終日雨でコンビニの前、煙草を吸って地面で消した。瀬戸内の演奏家は姿勢が綺麗な気がする。楽器を演奏する背筋や骨格が美しいような、そんな気がする。

1月23日 自分のソロライブ。バンドでは使ってないアコギでやる。やはり少しSNは悪かった。最近ギターを弾く場合、指先が澄んでいく感覚を持った。が、歌という点においては喉の疲労を自覚してしまっていた。7曲中5曲を新曲でやったのは自分の為には良かった。

1月26日 亀岡市に居た。明度も彩度も低い山肌を真っ白な残雪が控え目に化粧する。亀岡のイオンモールで昼飯を食う。3階の食堂。だだっ広くて寂しい店。冷たいそばを食って身体が冷えた。toeの一歳の誕生日祝いにtedと相談してマーチンのファーストシューズを贈った。どうせすぐ履けなくなるだろうが、こういうもんはそういうもんな気もする。

1月28日 小椋のやるSuperBackイベントにNo Fun出演。長い一日だった。ライブ中の体力は十分足りたがその前後がどうも課題だ。音楽、やればやるほど体調管理が最も大事だって気付く。そしてそれは時にはどうにもならんから、どうしようね。

2月1日 昨夜の雨で街はまだ薄ら濡れてる。2月になった。仕事が終わって深夜歩いて帰ってた。風、酷く冷たい。突然大きなバイクが歩道まで乗り出して来て運転手の男が話しかけてきた。すみません、財布を落としてしまってえ、、。俺は一言、無理です。無理ですかぁ、、。男はそう言って再び走り始める。何が無理なのか、お互い脈絡が無さすぎて俺も男も今頃面白いかもよ。