low days

Kyoto Japan PIANOGIRL vo. diary

無題

明日は雨が降るという。冬の残党が猛威を振るうとも聞いた。さっき外で雨音がしたような気がしたが、今はそんな気配は無い。日付が変わり4月10日の深夜1時半を前にした頃。tedは気持ちよさそうに眠り、俺はブコウスキーを読んでた。そして少しだけ書いて眠ろうという気分になった。

自分の中にどうしようもなく燃え立つ想いがあり、しかし強固な自制の内にそれが静かな炎として揺れている。大空に立ち昇る爆炎と、雲のように形を変えるアイデア。それが俺が俺を放さない興味。糞面白くもない他人の表現に心が騒めくことすらが空疎。

俺は旅に出たい。全てが終わって目的も滅した時、旅というものだけが導いてくれる気がする。他には何も無くなったようだ。そんなことって最高じゃないか!現在というものはどうしても薄手なチリ紙みたいに思える。燃えもすれば見失いもする。それは極簡単に。

昼間、もう何年も会ってない東京の知り合いに電話をしてみた。なぜ思い立ったのか自分でも分からなかったがそうした。電話は通じなかった。留守電にメッセージを残してみたが未だ折り返しは無い。東京に居ながら孤島で暮らしているような、断絶的な人だった。今は夫婦で病を分かち合いながら生きているらしい。夫婦でバンドをやってたし、素晴らしい音だった。俺は彼の、彼女の、声が聞きたい。明日再び電話をして反応が無ければ時間を空けようと思う。重荷にさせたくない。

 

無題

18日 仕事が終わり、22:00。それから一人でスタジオへ。ここ最近を振り返ってみると、素直なまま反射するように歌うことが俺には大事になってきている。つまらん時はつまらん。飲みたい時は飲むさ。こんなのっておかしいだろ?おかしくない?あんたにも笑って欲しいんだけどな。

19日 仕事は休み。午前中のうちに銀行で用事を済ませる。煙草屋にも寄って今月分の巻き煙草を買った。雨が降りそうやね?店員のおばさん。もう既に少し降ってた。春雨のような、暖かな町に乱反射する小さな雨粒だった。

家に帰って映画を見始める。男はつらいよの何作目だったか忘れたが、山陰が舞台の回。ヒロインの父親は小説家で、彼が吸う缶ピースが妙に美味そうに見えてそんなシーンになる度に俺もベランダに出て煙草を吸った。

日が暮れる頃tedと街へ出る。市役所の通りの奥まった所にある淡路島料理店に入った。そこで一杯だけ飲んだ。小汚いカウンターに座れば厨房の焼き場がすぐ目の前で暑くて仕方なかった。最終的に俺はシャツ一枚だったね。

その夜は村島洋一のライブを見た。終わってからも店で飲み続け、帰宅したのは3時頃だったと思う。一人でふらふら自転車を漕いで帰った。頬や耳を冷たい風が切りつけてくる。この夜、詩人choriと久しぶりに会って話した。言葉を生業にする人は何の気無い会話にもその端々に面白い表現を聞くことが出来る。比喩だったり、俺はこう思うんだ!という意思表示に清涼水のような爽やかさがあって、会話は進んだ。

帰り道という時間が好きだ。酔っ払ったら尚更で、ああ!でも心配事はどこまでも付いてくる。玄関扉を開けてすぐ閉めても、中まで入ってくる。眠ろうと目を瞑ればそいつと二人っきりになってしまい、むくりと起き上がった俺は多分情けない顔をしてると思う。寝酒が要る。まだ焼酎が残ってたと思う。

四日間の記録。どうしても心落ち着かぬ自分と。

京都、大阪、八王子、新宿の四日間が終わり今はこうして足を伸ばして眠ることが出来る。

京都に帰って来たのは12日AM5:00頃。

八王子へ向けて京都を発ったのが9日の夜中だった。俺はとても疲れていて酒を飲む気にもならず眠ることにする。運転はファイター。いつも安全な爆速をありがとう。

4時頃だったか、どこかのSAに車は止まった。運転がNJに交代される様子。外は寒そうなので俺はそのまま布団を被っている。

5時を過ぎ辺りが少し明るんで来た頃、八王子に到着した。漫画喫茶の駐車場に停車し皆で外へ出る。気温は低く少し風もあり寒い。空が広い。コンビニで買い出して車へ戻った。運転組は漫画喫茶へ。豪とカイシュウと俺は機材車に残留。いつもの流れだ。缶ビールを飲み干して、車内に転がってた焼酎をお茶で割って飲み始める。最近は麦ばかり飲んでたので芋臭さが気になった。静かな朝だった。隣町のような街だと思った。おそらくあと数時間もすれば向かいの公園で遊ぶ子どもの声が聞こえてきて、俺の知らない街になる。

ライブハウスは繁華街のど真ん中にあった。RIPSは5〜6年ぶりの出演。楽屋に隣接するsenseless recordでNJが早速何枚か買ってた。俺も後で行って気になるやつを一枚買った。

何年やっても、どんなイベントでも、俺は自分の出番まで心落ち着かないでいて、自身への重圧?暗くどんよりしたものに押し潰されそうになってる。飯が食える日と食えない日がある。ブーツの紐を締めると気分は少し楽になる。

打ち上げ途中で俺たち五人は次の目的地へ向かって八王子を発つ。雨が降っていて、機材車は走り出した。俺は酔ってて騒がしい車内。新宿へ。

いつもの小便臭い駐車場に着いた。街は賑やかしく、雨さえ相手にされてない様子。皆で飲みに行く店を探しに出た。九州料理が食える店に入り刺身とビールをやったね。あれが美味いこれが不味いなど言いたいように言って飲んでた。店を出る時レジで貰った飴玉を、通りを行く若い女二人にあげたら喜んでくれた様子だったが、それが何だっていうんだろうな。俺が最初にあげて、すると皆んなも次々にあげてた。女二人は多分10個以上飴玉を貰ってるはずだ。f:id:pianogirl292:20190317110402j:image

その晩も俺は機材車で眠った。激しい雨音が街の喧騒をかき消してくれるようで、普段なら有難いんだろうがこの日はそれが勿体ないような気分だった。

翌朝、車の周囲で人の声がして目が覚める。警察が3〜4人車を囲んでいた。デカくて汚い、どう見ても怪しい俺たちの車へようこそ。俺はうすら目を開けて彼らを見ていた。彼らも窓に顔をひっつけながらこちらを見ていた。しばらくすると何の気配もなくなり、俺はそのままもう一度眠ったと思う。

歌舞伎町の駐車場を出発してWildSideTokyoに着いたのは15時過ぎだったと記憶している。DEEPCOUNTのリハを見て、今日此処に歌いに来れて良かったと強く思った。俺たちもリハを終えて、ファイターとカイシュウと風呂屋へ向かった。新大久保のコリアンタウンにある綺麗な風呂屋で、刺青者も歓迎されている。俺は何も入っていないが二人はデカイのが入ってるからね。それにしても東京の湯は熱い。俺はいつもゆっくり浸かれない。

夜、全ての演奏が終わり俺たちも帰りのことを考え始めた頃、やっと心が穏やかになるのを感じていた。京都へ帰ろう。合言葉のようにそれを言って車は走り出す。ネオンをくぐり抜けていく。この日は3/11。こうして日々を重ねていけることがどれだけの悲しみの上に成り立っているか。命が続く限り、悲しみはずっとだ。その普遍の前には、まぶたをゆっくり閉じるようにして。俺たちはそうしてみせるしかない。

無題

愚鈍な月日を過ごしていた。今、再び俺は俺を取り戻した感覚の中。季節は厳しい冬で、依然霧中のようにお先は真っ暗よ。それでも腹は減るし心乱れ、全身がこう言う。進め、と。進まなければあれもこれも未解決のままで、自身に顔向け出来ようも無い。

ただ時折、冬枯れた陽射しのような安らぎの一日一夜があり、その度に俺は自分の向う見ずさや無鉄砲な振る舞いを優しく肯定されたような気になれる。随分自分勝手なことだが、それは確かにある。

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映画の撮影に参加した。

滑走の季節、12月を終わらせよう。俺は暇さえあれば隅っこに隠れた猫を捕まえる遊びをしてた。21日 大阪で映画の撮影。tedと車で向かった。行きは俺が運転をする。京阪間の下道は糞ほど混んで、結局3時間ほど運転して20時半に到着。爆弾ハウスと呼ばれる撮影陣のアジトへ招かれた。アフガニスタンと日本のハーフ、爆弾と呼ばれる彼は腰まである髪の毛と独特な知識を蓄えた面白い奴だ。ハウスは薄暗の洞窟のような部屋で爆弾は女と住んでた。女とも俺は友達で、名をvoidと言う。演技、ダンサー、ドスの効いた黒いカリスマ性を感じる女性。部屋に着いてすぐ彼女自家製のブランデーチャイをご馳走になった。大量のスパイスを独自の配分で入れたブランデーで、一口飲むとケツの穴からビシっと酔っ払ってくる感じ。美味いね。ビールと交互にそいつをやった。煙草を吸いまくった。煙草も美味かったからね。撮影に関しては特に書かないでおく。完成を迎えたら必ずピアノガール側からも宣伝をしようと思う。日付が変わる頃に場所を変えて、川に隣り合う公園へ出た。都会的な景観と、誰かが拾い忘れたように散らばる落葉と、そのアンバランスの中に俺たちは居た。大阪らしい街だと俺は感じた。その多くを知らないがそう感じた。役者のヨウスケという男は息も白い空気の中ずっと裸だったから今頃風邪を引いてるかもな。彼の内にも表現を感じた。表現を感じるということはその者に通う血を見ることと同意だ。爆弾もvoidもヨウスケも、そして彼らをまとめる天使弾道ミサイルとも、俺たちは寒空の下で色々なことを話した。tedも寒さで頬を赤く染めながら話してた。俺個人としてはこんな風にして誰かと話すのが久しぶりだった。様々なことに答えを出し切ったような気がしていた俺。いや、今のところ答えは俺の中に確かにある。そうだ。考え続けることが出来そうな気がしてきた、と言う方が正しい。ブランデーチャイは温めても美味いだろうし、世界中から戦争が無くなることは絶対に無い。日本が素晴らしい国になることも無いだろう。素晴らしい?そもそも素晴らしいって何だよ、時折阿保な俺。気張ってやろうぜ、そんな呪文だけが聞こえてくる。帰り道、俺は酔っ払っていたし、tedの安全運転で京都まで帰った。こんな時フロントガラスを駆け抜けていく風景が俺には忘れられないものだったりする。

翌日は9時に出勤。19時には仕事は終わり23時からのスタジオまで俺は何かしたと思うが、、何をしたか思い出せないでいる。

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無題

今夜も深く冷える。19日の23時を過ぎた頃に書き始める。

息は白く、家全体が冷蔵庫のようだ。部屋に放ってた缶ビールは十分冷たかったが、グラスに氷を入れて注ぐことにした。アイスビール。冬に飲むこれも悪くない。飯を食ったから身体は少し暖まってきた。あとは風呂の湯が溜まるのを待って、しっかり体温を上げて布団に入りたい。もう何年も冷暖房の無い生活をしている。設備が無いボロ家ばかりに住んできたこともあるが、好きでそうしてる所も大いにある。自然、気象、季節、およそ地球に逆らわない生活。人間はいつから人間だ?そんなことを考え、非文明的な態度で生きるのは面白い。ネットや電気が滅んでも金を稼ぎ飯を食い、精神充実もした人生を歩める自信が俺にはある。戯言はここらにして、本を読みながら眠くなるのを待つことにする。

20日 久しぶりに朝飯をしっかり食った。朝から五条の方へ出る。市場の真ん中を抜け美観地区のような通りへ。そこで用事を済ませてから出勤した。日中の街には冷たい雨が降ってた。冬の澄んだ空気を吸いたかった。雨が止み、明るいうちに晴れてくれたらそれは吸えると思う。

21日 ほんのり暖かい午前中にいる。仕事は休みで、もう少し布団でゆっくりしようと思いながらこれを書く。夜から大阪で天使弾道ミサイルの映画の撮影がある。出演してくれと言われた時、何の迷いも無かった。彼からは何の説明も無く、俺が何をやるべきなのか今日になっても分からないままだが、それが良いと俺は思っている。No image。とっくの昔に偶像は殺した。身から出るものしか温かいと思えない。垂れ流すようにして、外気に冷やされず、湯気のあがるそれ。

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京都GROWLYでツアーファイナルを終えた。

12月15日 冷たい雨が降る刃のような夜。風呂でしっかり温まり今布団の中でこれを書き始めた。二日前に俺は風邪をひいてしまった。午前中から身体に怠さを覚え夕方には発熱。漢方と白湯を飲み続けなんとか熱は治ったが翌日には喉が痛む始末。長年喉と付き合って来た経験から俺の身体に合った治療法をやってみる。薬の類は効かない。とにかく喉を温め、水分を絶やさないようにする。すると一日で痛みも引いてきた。そして今日はというと、鼻づまりと咳。風邪の症状全てが順に襲ってきたって訳。鼻は強い方だったので対処法を知らない。まぁ鼻水垂れ流して唄うがいーよ、俺。

さて来たる16日は青天井ツアーファイナル、ワンマンだ。余す所無く詰め込んだ2時間を俺たちは駆け抜けようとしている。一瞬だ。evansを聴いてる。俺が落ち着こうとしている証拠。この続きはワンマンが終わってから書こうと思う。

17日 昼。一度起き出し飯を食いに出た。酒と疲れが残る愚鈍な午前中。普段通らない道に入る。左京区、北白川の辺りは一風変わった建物が多い。時代建築、門前には花。山に囲まれた町全体が奇抜なセンスを纏っている。静かだった。昨夜で騒がしい音楽が一度鳴り止んだ。2時間、22曲を演奏し、青天井ツアーの終わりを迎えられた。動員は107人。ステージから見るとその全てに血の通った表情があったように思う。2018年のライブもこれで終了(俺はSOOZOOと弾き語りであと4本を残すが)、ゼロから再出発したバンドの一歩、二歩、確かな前進をした一年だった。思えばバンドを始めてからずっと感じていた現実からの浮遊感、それに身も心も委ねることで突き進んできたがここ数年はそうではなかった。俺自身の現実をしっかり踏みしめ、血の通った音を、ただそれだけを目指した。俺は俺自身と戦い続けなくちゃならない。臆病な自分がいる。嫉妬深い自分がいる。私利私欲にまみれた醜い怪物のような自分がいる。戦え、と俺の中の正義と勇気が言う。その声がするうちは。

青天井ツアーのポスターを見返していた。全国各所、お世話になった人たちをこれからも友達と呼べるように恥の無い前進を約束する。

打ち上げでは差し入れで貰った沢山の酒が次々と空けられた。美酒だったが俺は風邪がぶり返してきてビール2本でもうぶっ倒れそうだった。涼もうと一人外に出る。どしゃ降りの雨が駐車場を打つのを見ていた。看板の明かりや、よく見慣れたこの町を。何処へ行くにも俺たちはこの駐車場から出発した。そして旅の終わりにこうして此処へ帰り着いたんだ。皆無事に、炎を絶やさずに。煙草に火を付ける。雨粒に煙が溶けていく。とても寒かった。中へ戻ろう。半分を吸い切らぬほどの煙草を水たまりに投げる。ジュっと短い音がして、俺の気分も清々しいものだった。

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