low days

Kyoto Japan No Fun / PIANOGIRL vo. diary

無題

11月8日 仕事は休み。9時頃に起き出す。押入れから炬燵布団を出して二階のベランダで干すことにした。しかしよく見ると猫の毛だらけでどうしようもない始末。粘着テープを転がしてみるが途方の無い有様。うん。一旦干して、それから考えようと思う。飯を食って粉コーヒーを作り机についた。久しぶりに本腰を入れて曲作りを始めた。そうだ。この時間が俺には大切だった。どうも最近調子が出なくて欠伸ばっかしてたけど、制作の時間こそ俺を炎の中へ連れてくれる。ガキの頃から俺は一人で作った。響きは頭の中にあって、言葉は燃えるように。欲しいものを自分で作ることは当たり前で、一切の疑問や他からの影響は無かった。自分が作った曲を初めて人に聞かせた時のことは今でも覚えてる。反応は悪くなかった。そいつにはベースを弾いて貰って、三年間バンドを共にした。制作ノートは全て保管している。見返すと、今でも面白い。今、本来の姿に立ち返っている気がする。格好良いことは何も無い。俺がどう生きて、誰と話して、どんな景色が忘れられないか、だけだ。そしてそれも全て忘れていくだろう。すっかり冷めたコーヒーを飲んで、またペンを握る。

翌日に居る。雨だった。少し早く行って刷り場で一息入れた所。薄暗い部屋で煙草を吸ってコーヒーを飲んで、ぼうっとしてみる。音楽をかけた。昔whoopee'sで働いていた時事務所から借りてそのままになってるCD。ジャンクなエレクトロで一曲が20分くらいある。退屈な音が気持ち良い時もある。

日付は変わって今は11日だ。部屋の灯りを消して、眠る前に書く。今日ドイツに居る友人に電話をした。昼にかけたが不通で、時差を調べると向こうは夜中の4時だと知る。そりゃ出ねぇわな、と詫びのメールを入れる。しかしそれから1時間ほどして友人から折り返しがあった。「よう。」本当に何年も話していなかった奴だが、昔から一言目はいつもこんな感じだった。えらく早いな?今日は出張で早起きなんだ。彼は言う。用件を伝えて10分ほど電話をした。多分彼は身支度をしながらスピーカーフォンで話していたと思う。ドイツは行ってみたい国の一つだ。規律と伝統と贖罪の国。ビールは常温で飲むらしいが、そんなの正気だろうか。