low days

Kyoto Japan No Fun / PIANOGIRL vo. diary

無題

もう7月も半ばを過ぎるがまだ肌寒いような夜もある。表で野良猫が大喧嘩をしている声が聞こえる夜もある。tedが月明かりだと信じていたベランダの明かりは上階の部屋の照明だったって?五月晴れとは梅雨の合間の晴れ日のことを言うらしいが今日はまさにそう呼べる日だった。もう日付は変わったが15日の日記として書き始める。

8時起床。朝飯は食わなかったと思う。10時頃スーパーへ買い出しに出た。ペダルをこぐ度に錆びたチェーンがギリギリと痛そうな音を立てる。眼鏡に陽光が反射して奇妙な眩しさだった。近所の業務スーパーは繁華街にあって、部屋着にサンダルの俺だけ浮ついた感じ。隣の雑貨屋のクッキーが美味くてここ最近よく買って食べてる。青色で大きな缶に入ったやつで、何も考えずに食うとすぐに無くなった。街は平常。異常なほど行き交う人。連日の雨でも洗い流せないザラついた通りに。建物の間数十センチから望む狭々しい空が素晴らしく清潔なものに見える。

仕事は夕方からだった。出勤前少し陽が落ちて来る頃にランニングへ出た。御所周回を一周して4キロ。久しぶりに走ったので全身が痛む。ここ数ヶ月で体力の低下を感じていた。コロナ禍においてライブの本数が激減したので歌における体力が落ちていることを実感していた。スタジオで歌っていても息がしんどかったり喉が閉じてしまっているのに気付く。酒を断っているこの機会に体力をつけたい。御所内に入ると大木の陰が心地よく、小石を小気味よく蹴り飛ばして進んだ。

18日は9:00にスタジオに集合して(もう梅雨は開けたのだろうか)それから皆でじっくりと曲作りを続けた。15時までやって結果としてはたったの一曲が完成した程度の進捗だったが、こんなものだろうと俺は思う。見えている感覚や聴こえていた音がいざ眼前に現れるともう気まぐれで不格好なフォームで走り出し、肝心な俺はというとその後姿をただ見つめているだけだったりする。

19日は緑橋でライブだった。駅階段に店を構える戦国大統領。俺個人としては4月から数えて3回目の出演。薄暗い洞窟のような店内で知った顔もそうじゃない人も皆が楽しそうにやってる。彼らはそれぞれの感傷を持っていて別段それを見せびらかす訳でもなく大事に家に持って帰る者もいれば酒と一緒に記憶の彼方へ放り投げる者もいるだろう。俺は煙草を吸いながらそれらを見る。心の成り行きをぼうっと眺めてみる。人それぞれの在り方について考えてみる。汚れた湖にぷかっと浮かぶ睡蓮の花が見える。昔から知った二人が入籍すると聞く。友達のことを考えた時、彼らの生き方に手助けさえすれどどうこう言うつもりは一切なかった。これまでもこれからもただ幸せに、血の通った表情で生きていてくれさえすれば。

もう今は23日に居る。雨の止んだ静かな夜に騒ぎ立てるようなことも無い。この2〜3日で少し詩を書いた。それらが内から外へ出ようとするかはまだ分からない。

f:id:pianogirl292:20200724020329j:image