low days

Kyoto Japan No Fun / PIANOGIRL vo. diary

携帯に残っていた一年前の記録。なんでもない日の記録が俺には大切で、内容からしてちょうど一年前の今頃だと思われる。


tedの布団に二回も小便をしたせいで神社は部屋から閉め出しを喰らってた。今夜も例に漏れず戸は固く閉められている。その向こうで彼女は何かを訴えるように鳴いている。階段をバタバタ上り下りし、騒ぎ立てている。もう眠ろうとしていた俺だが、あんまり騒がしいので目が冴えて、これを書き始めた。

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梅雨入りしてから京都の夜は寒い。今夜は特に。仕事は早く終わった。家で飯を食い、ふとコーヒーが飲みたくなったので近所のドトールコーヒーへ。ガソリンスタンドに併設された店舗は24時間営業だという。喫煙ルームは見るからに暇そうな連中で占拠されていた。しばらく本を読んだりノートを広げたりしながら喫煙席が空くのを待っていたが一向にその気配は無い。俺はtedを促し勘定を済ませ店を出る。すぐ隣にもコーヒー屋があった。ここは深夜2時までやっている。明るく広めの店内とジャズ。各机にライターが常備されていて俺は嬉しくなる。客は皆んな煙草を吸っていた。店主のハゲた老人もカウンターの中で実に美味そうに吸う。二杯目はアイスコーヒーにした。

ページをめくりながら過去の俺の言葉を読み返す。最近はボールペンで書くようにしている。これがとても良い。客の女が一人帰るようだった。レジで店主が、おやすみなさいと言うのが聞こえた。女も愛想良くそれに返した。そのあとも来る客帰る客殆どが常連のようで、店主と彼らの短い会話は小気味良くなされた。俺は今夜は集中力が無く、一行も書けなかったが気分は良かった。街のことを知るのが俺は楽しい。ヒトのことはその次で。少し難しくなるからね。

日付けが変わる頃に俺たちは帰った。玄関で神社がすり寄ってくる。

ただいま。お前はどんなことが楽しい?
下顎を撫でてやると良い顔をする。大人しく眠っていると思いきや、突然跳ね起きては激しく鳴き、家中を高速で移動するお前は見ているだけで楽しい。