low days

Kyoto Japan No Fun / PIANOGIRL vo. diary

荒神橋下港

台所で書いてる。1:09 仕事が終わって帰宅したところ。換気扇の音だけがする。

この前近所を散歩してた。梅雨入りしたと聞いたが空は真っ青で、靴を投げ飛ばしたくなる。東の方で入道雲未踏峰のようだった。川べりを歩いて荒神橋の袂に来た。橋の下には石畳があって、それはとても小さな港にも見える。

今はもう何も無いが、此処は昔ホームレスの男が一人住んでいた。こびりついた黒い肌に、髭と髪だけが随分と枯れた白。歳は確か70歳とか。計算すると今はもう80歳かも。

一昨年の大雨による鴨川の氾濫で家が流されてしまったと代理連絡人から聞いた。本人は無事だという。うん、そういえば近所のスーパーのイートインコーナーで酎ハイを飲んでたのを俺も見たな。港は寂しいような気がしたが、最初から何もなかったと言われても君は納得がいくと思う。

彼と市バスに乗ってた時の話。優先座席で携帯を触る女に彼は物凄い剣幕で怒った。

彼と定食屋で飯を食ってた時の話。白飯がまだ半分残った状態でおかずは無くなっていて、ごく自然な動作で米に味噌汁をぶっかけて犬みたいに食ってた。

それは忘れられない素晴らしい景色の二つ。俺はそれらを思い出しながら橋の下で煙草を2本吸った。そして家に帰って、夕方からはバンドの練習だった。