low days

Kyoto Japan No Fun / PIANOGIRL vo. diary

夜になっても雨は降り続けた。

昨夜思い立ち、古い未完の曲に歌詞を書き加えていた。ある種、当時の自分を懐かしむような気持ちで。昔の曲だ。現在の解釈はどうだ。

途中冷蔵庫からビールを取り出して飲んだ。コンビーフの缶もあったのでそれも食ってみる。もう夏夜のようだった。表では虫が鳴いていたし。発情期真っ只中の神社(飼っているメス猫で、本名はジンジャーだが俺はこう呼んでいる)は俺が音を立てる度に叫ぶように鳴く。流石に続くと俺も静かにしてくれと言い返す。すると少しの間は黙ってくれるが、また始まる。俺はそのやりとりが面白くなって段々気の入った声になる。その役割を演じるようになるんだ。神社の方も受け応えが人間のようだったりもして、ますます俺と彼女は寸劇の中へゆく。

 

 

夕方いつものスーパーで飯を買う。最近ここも自動レジに移行された。俺の前にはパックの寿司を持った老人。何番の機械で精算お願い致します。店員は告げる。老人は困惑した顔。そりゃそうだ。多分彼は痴呆もあったと思う。挙動がおかしかった。そうじゃなくても年寄りには理解困難な制度だろう。当然後ろには行列が溜まっていき、皆臭うゴミでも見るような顔。うんざりってやつ。俺は小銭を入れる場所をじいさんに教えてやる。そのまま思いっきり投げつけてやればいい。糞ほどの世界だ。その寿司も糞のように不味いに決まってる。

 

夜になっても雨は降り続けた。

あと10分ほどで日付が変わる。今夜はもう眠ろう。夢うつつに朝までぼうっとしてしまう夜が稀にある。あれはキツい。しかしこれを書く今猛烈に眠い。よかった。ベランダを打つ雨音。読もうと思い布団まで持って来た小説。コップに半分ほど残った緑茶。それらが今夜だった。