low days

Kyoto Japan No Fun / PIANOGIRL vo. diary

三時の。

朝になって眠る。眠る前、どうせ眠りは浅く、早くに目が覚めるんだろうなと思いながら。案の定4時間ほどで起床。カーテンが揺れ、窓から心地よい風が入った。しばらくそのまま天井を眺める。段々頭もすっきりしてきて、俺は何か独り言を呟いたと思う。よし!とか、おりゃ!とか。それを自分なりのきっかけにして上体を起こした。

独り言を喋る時俺は自己と会話をするような気がして楽しい。自分自身、それは本当に二つと無い。そして部屋に一人。道に一人。川べりで一人。虫の羽音もしない所で何か自分に語りかけてみると?変な感じがする。馴染みのない味付け。それはうまく咀嚼し、自分と成立しなきゃならない。

一階へ降りた。米が少し残っていたので納豆をかけて食う。これから世間は雨季を過ごし、愚痴をこぼす間に夏が来るだろう。暑さで命を失くす動物もいれば行方をくらます人間も出てくるかもしれない。これは寄る辺の無い旅か。仮に部屋に閉じこもっていても日が落ちたら灯りに手を伸ばさなくては。

通りの古本屋、外の棚に表紙の破れたヘッセの詩集があった。俺は強い日差しを背負いながらぱらぱらとページをめくってみる。黄ばんだページは日の照り返しが眩しく、印刷された文字は白く飛んでいきそうだった。俺は着ていたアナーキーシャツを脱いで肩にかける。

再び歩き始める。

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日付が変わる頃に書く。街は夜の中。これを打ち込む携帯の液晶、俺はその光の中。

ふと聞こえた寝言は「ふふふ」って笑い声。俺まで可笑しい気分。眠気が来てページもめくれず今夜も落ちるが、ふと幸せな気分が側で暖かかった。水鳥が跳ねるようなそれ。どうしよう、その匂いを忘れたら。嵐が来たら、どうしよう。