low days

Kyoto Japan No Fun / PIANOGIRL vo. diary

無題

大阪の地理は全く分からないが弁天町という町に演劇を見に行って、そこから梅田まで歩いた昼があった。何隻もの錆びた作業船が停泊する河川沿いを歩く。時折ロープが邪魔で服には引っ付き虫が。堤防に座り弁当を食う作業員。この後缶コーヒーを飲みながら吸う煙草はさぞかし美味いんだろうな、と俺までにやけてくる。

演劇は実際のホテルを舞台に各部屋で様々な物語が進行する謎解きのような空想のような、不思議なものだった。ホテルをうろうろしたことも、工業河川を長い時間散歩したのも、11月の小さな旅としてこうして書き残そうと思う。

歩き始めて1時間ほどで三角州の公園に着いた。スケボーの練習をする青年と、杖で周遊する老人。ベンチに座った俺とtedはそのどちらもを交互に眺めながら缶ビールを飲んでいた。しばらくしてちーこと合流する。彼女は昨夜の演劇に出演していて、一ヶ月間ホテルに泊まり込みだという。貴重な休演日にこうして出てきてくれた。この日も暖冬だった。浅い夕日は街を撫でるようだ。

黒谷という町で3人で暮らした日々があった。愛くるしい2匹の猫も一緒に。小さな庭のある汚い家で冬は厳しい底冷えがした。3人それぞれの交友関係で人を家に呼ぶのでしょっちゅう知らない奴が出入りしていた。そのせいか、ずっと旅先に居るような暮らしだった。俺はとにかく服を切り刻んだり髪を染めたり鋲を打ったりしてた。気の向くままにギターを弾いては煙草を吸いまくって、近所に鬱陶しいくらい沢山ある寺を阿呆みたいな顔をして散歩した。

まぁそんなことを思い出しながら飲んでいて、夜の九時とか。明日からはまた各々やるべきことがあり、こういう生活の繰り返しはウケるね。俺は内心ウケながら阪急に乗って京都に帰った。